隣の妊婦が・バ・ボ・菓子を喰う

車掌は扉をシュ・閉めかける

地下鉄は・スゥと発車する

携帯の電波が・アと途切れる

隣の妊婦がボ・ボ・菓子を喰う

車掌が次の駅を・ジャ・告げる

運転士の・ヒ・ゲ・少し伸びる

妊婦の夫もポ・ク・菓子を喰う

地下鉄がス・次の駅に着く

隣の妊婦がバ・バ・菓子を喰う

ヌ・ニ・妊婦の夫が妻の腹をなでる

やさしいひとみでずっとなでる・ネ・ネ・

運転士がマスコンを・グ・と止める

・コ・コ・車掌が駅の名前を呼ぶ

携帯の電波・タ・タ・タ・復活する

隣の妊婦が・ジャ・ジャ・ジャ・菓子を喰う

妊婦と夫が・ダ・ダ・ダ・フー・フー・菓子を喰う

キ・キ・キ・車掌の寿命が少し減る

若い妊婦が・ハ・シャ・ハ・シャ・菓子を喰う

着信メールは・ス・ありません

地下鉄のドアがまたド・ド・ド・閉まる

サ・ス・ソ・やさしい徐行で発車する

隣の妊婦が・スン・スン・菓子を喰う

妊婦の夫が・スン・スン・腹をなでる

ギ・リ・ギギギ・運転士の手は磨耗する

なぜだかわたしは泣いている